上機嫌で何が悪い!ブログ「パルプ」チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸訳

探偵業の報酬が、一時間6ドル、これをどう思えばいいんだろう?そんなこと詮索するだけ野暮なのか?オフィスがなければ探偵じゃない、嘯くニック・ビレーンのハードボイルドな探偵の物語。面白かったのか?レイモンド・チャンドラーフィリップ・マーロウのシリーズより面白かったか?

一度に複数の依頼を受けてしまう、その複数の依頼は、一見無関係に見えて、実は絡み合っているって書けば、一丁前の探偵小説かもしれない。でも荒唐無稽なんだよ。

取り敢えず読んでください。お酒の飲み方がかっこいいよ。それに、ビレーンの人生を喝破する言い回しが穿ちすぎてるほど穿っている。「俺たちみんな、ぶらぶらしながら死ぬのを待っているだけだ。それまでのすき間を埋めようと、あれこれしょうもないことをやっている。しょうもないことさえやっていない奴もいる。」

「人間食わなくちゃならん。食って、食って、また食って。みんなそれぞれチャチで汚い仕事をしょいこんで、みじめったらありゃしない。」

とかね。