上機嫌で何が悪い!ブログ「町でいちばんの美女」チャールズ・ブコウスキー 青野聰訳

僕の中で、何かが拡がった。「そんなのありかよ。」ってとこでしょうか。小説の役割の一つが、生きる勇気を与えてくれることなら、この短編集はまさにそう。

そういうことをした人がほんとにいるんだ」とは、狭隘な僕の常識では思えないけど、少なくとも「そういうことを考えた人がほんとにいるんだ」ってだけで、読んで良かったと思え一冊。ブコウスキーは、ある特定の集団から、教祖のようにカリスマ性を崇められるかも、ですね。

この酒浸り感は、「日はまた昇る」を彷彿とさせるな、と思っていたら、ヘミングウェイに傾倒していた様子。文を短く切り、力強くぐいぐいと引っ張っていく感じは、確かに似ています。僕は嫌いじゃないです。面白いです。

こんな感じです。『私はグラスに注いだビールをしばらく見つめてから半分ばから空けた。誰かががジュークボックスにコインを入れたらしく、音楽が流れた。生きているのも悪くなさそうだ。空けたグラスに注ぎながら、おれの物がまだ立つかどうか気になった。私バーを見まわした。-女いない。ならば女の次にいいものをやるしかない - 私はグラスを取って一気に飲み干した。』(慈善病院での生き死に)

しかし「オープンプッシー」って、「オープンシティー」でしょ。