上機嫌で何が悪い!ブログ「承久の乱」日本史のターニングポイント 本郷和人著

 やっぱり学者の知識は面白い、と再確認。中学生の頃、「ヒトにフイ打ち(1221年)「承久の乱」と覚えたぐらいしか思いれのない争いが、人物の迷いまで感じられる、身近に感じられます。

 冒頭、「幕府」というきちんとした政治システムが確立されていたわけではなかった、頼朝のつくった政治体制の実態を一言でいうと、「源頼朝とその仲間たち」。この宣言めいた表現で、不思議と鎌倉時代のその気分をおぼろげながらも、「感じられる」ように思います。自分の土地を守るため、頼朝を棟梁と仰ぐ鎌倉武士団のそのありようがまぶたに浮かぶようです。

あとがきに僕がこの本を面白いといえる個所を発見しました。「構想20年、鎌倉幕府とは何か、をずっと考え続けていたぼくだからこそ書けた本だと自負しています。」「鎌倉幕府って何?『武士の、武士による、武士のための政権』」

こういうわかりやすく、かつ本質をとらえた表現は、なかなか書けないと思います。