上機嫌で何が悪い!ブログ ドストエフスキーとの59の旅 亀山郁夫

 偏愛、ドストエフスキーへの偏愛が感じられます。深読み、精神的外傷、偶然の出会い いろいろな角度から筆者はドストエフスキーの世界にはまり込みます。

 船曳健夫「旅する知 世紀をまたいで世界を訪ねる」に似ているかもしれません。知識が多い人間は、偶然の出会いに運や運命を感じておかしがったり、驚いたりします。その人生はきっと凡人より奥深く、色鮮やかなんでしょうね。

 「罪と罰」、かつて断念しました。もう一回挑戦してみようとおもいます。著者が導いてくれそう、今回こそ読めそうに思えます。「カラマーゾフの兄弟」、手に取ったこともありません。手に取ってみたいと思えました。読んだ先に亀山先生が笑って待ち受けていそうな気配があります。

そこには、ロシアのおどろおどろしい世界が待ち受けているでしょう。恐怖で、長くペテルブルグ、センナや広場に留まっているいることはできず、現実の世界に逃げ帰ってくるでしょう。でもその世界を歩きとおしたその向こうには、僕の幅を広げてくれそうな自信が待ってそうな気がします。

 しかし、読んでよかったと思える、非常に面白いエッセイです。