上機嫌で何が悪い!ブログ「となりの漱石」山口謠司著

漱石は、いったい、どんなものを食べるのが好きだったのだろうか?プリン パイナップル トースト クルミも食べていた。感覚的には、僕の「おばあちゃん」と同じような意識ではなかっただろうか。

漱石は、孤独だったのか?もちろん孤独ではなかったはず。数多くの弟子たちもいた。きっと寂しくはなかっただろう。一緒に旅行した満鉄総裁の津田是公、京都大学の総長となった狩野亨吉、岩波文庫岩波茂雄寺田寅彦、芥川だって、煤煙事件の森田草平も、小学校の頃にならった高浜虚子も。あまりに多くの弟子が五月雨式に来訪するもんで来訪は、木曜日だけに限定した「木曜会」ができたくらいだしね。

漱石は、家庭で、どんな父親だったのだろう?ヒステリックでこわかった次男伸六をひどく打擲したことも残されている。明治人はみなこうであったのだろうか。5人いた女の子たちは、「一緒にいるとご飯ものどを通らない」ほど緊張したというけど。

明治は遠いのかな?漱石が活躍したのは明治40年から大正5年くらい。110年ほど昔。想像が届かないほど昔ではない。でも、僕の中では霧の向こうにかすんでしまっている。

はるか遠く、明治に背をむけて僕は先を向いて生きていく。漱石の生きていた時代は、もはや歴史だ。