上機嫌で何が悪い!ブログ「別のしかたで ツイッター哲学」千葉雅也著

 テーマの沿ってツイートが並ぶ形式。「テクスト(かかれたもの)は宿命的に相手には届かない」、という内田樹先生の言葉を信頼して、どんどん読み進める。複数の連続するツイートで一つのテーマを形成している箇所もありますが、基本的には一つのツイートで完結しています。

 しかし、ツイートという制限の中で言葉一つひとつの重要性が日常の文章とは全然違います。「倒錯」「メタ言説」「皮肉」「承前」「去勢」など、いろんな言葉を改めてて改めて調べなおしたくらい言葉に向き合わないと短いツイートの理解ができなくなる。(理解が「乏しくなる」ではなく、本当に理解ができなくなるのです。)

 また、一つひとつのつぶやきの裏にある知識や経験を読み取ろうとして想像する様は、俳句のようでもあります。言い回しを排除しているという点でツイッターはせっかち~な僕にしっくりくる媒体なのかも、と思えました。

 140字以内で完結する「(=輪郭を与えられる)、(=有限化される)、(=非意味的に切断される)いずれも本文中の表現」ツイートって、だらだら連想のままに書かれた文書を書く人こそ使ってほしいです。だからって、僕が使うと140字にすらテクストは埋まらないでしょうね~。