上機嫌で何が悪い!ブログ「織田信長合戦全録」谷口克広著

子供向けか!と言いたくなるタイトル。しかし中身はそうでないことは、谷口克広の本を何冊か読んできた僕は知っている。「おわりにから」一文。「だが、ただ一つだけ認めていただきたい。それは、私はずっと続けてきた基本姿勢、つまり良質の資料にこだわって書いてきたものだということである。だから、この本は、これからの信長の合戦を研究する際の、少なくとも「叩き台」にはなるだろうと思う。

資料を並べてみよう。まず、『信長公記』はいうべきにもあらず。

京・近江の事は、『言継卿記』 『当代記』『兼見卿記』『経基卿御教書案』『永禄以来年代記』『継芥記』『日々記』『総見院文書』『成き(たけかんむりに貴)堂文書所蔵文書』『年代記抄節』『御湯殿の上の日記』『二条宴乗日記』『津田文書』『イエズス会日本年報』『日本史』『本城惣右衛門覚書』。

大和の事は、『尋憲記』『多門院日記』『柳生文書』『学侶多門院英俊の日記』『和田信夫氏所蔵文書』

美濃の事は、『瑞龍山紫衣輪番世代帳』『立入文書』。

河内・摂津・和泉の事は、『本願寺文書』『大谷派本願寺文書』『細川両家記』『 明照寺文書 』『紀伊風土記』『南行雑録』。

伊勢の事は、 「正確な資料がない」とはいいながらも 『富士見道記』 『中島文書 』 『勢州軍記』『北畠軍記』『伊勢市大湊支所保管文書』。 

伊賀の事は、『伊乱記』『蓮成院記録』『三重県史資料資料編近世Ⅰ』。

甲州の事は、『武州文書』『甲乱記』『徳川黎明会文書』『建勲神社文書』。

越前・越中・越後の事は、『越州軍記』『高橋源一郎氏保管文書』『越登賀三州史』『上杉家編年文書』『歴代古案』『北越軍記』『北徴遺文』『長家文書』。

丹波・丹後の事は、『古門書』『小畠文書』『一色軍記』。播磨の事は、『下村文書』『天正記』『別所長治記』『天正記』。山陰山陽の事は、『吉川家文書』。等

累々と並べたことで、改めてこの本の凄みを感じる。