上機嫌で何が悪い!ブログ「劇場」又吉直樹著

 前作と打って変わって、主人公に鬱屈した人物を据える。その鬱屈ぶりが「辛うじてわかる」、と「訳が分からない」のボーダーラインを行ったり来たり、な一作。

 例えばこういうところは「わかる」。『金もないのになぜ腹がへるのだろう。人の親から送られた食料を食べる情けない生きもの。子供の頃、こんなみじめな大人になるなること想像もしていなかった。どこかで沙希の親に好かれたいと願う自分がいた。(中略)だが、大事な娘と暮らす甲斐性のない男を好きになる親など存在するはずがない。好きな仕事で生活がしたいなら、善人と思われるようなことを望んではいけないのだ。恥を撒き散らしていきているのだからみじめでいいのだ。みじめを標準として、笑って謝るべきだった。』

 なかなか人間は開き直り切ってしまうことはできない、どこかの時点で防衛して善人に見られたいという意識が発動してしまうよな

 自分の感情を精査して、分析して、表現する ことについて、この作家より先鋭なものをはあまり見ないです。

 世間で起きる事件やニュースや日常の諸事に対して自分の感性がいかに鈍磨しているか、また、世間に迎合しているか、阿っているか、改めて考えさせられます。

 

 

 

上機嫌で何が悪い!ブログ「デッドライン」 千葉雅也著

 言葉には、その言葉が背負っている背景、使われ方、文脈がつきまといます。それがあるから、比較的短い文章で理解できるメリットで、恩恵を受けることのほうが多いと自覚しています。

 でも僕がこの本の感想を書こうとおもった時、そんな言葉が内包する言葉のもつ定義を超えた意味づけは、明らかに邪魔になりました。

 それは、この「デッドライン」が、僕の有り合わせの感性では太刀打ちできない新しいぶっ飛び方をしているからです。  「聖と俗が混然とする」最初に浮かんだのがそんな言葉でしたが、いやぁ、違います。「両極端を一人の人格が引き受ける」少し近づきましたが、正鵠を得ていません。

 大学院生の主人公の〇〇(※ホントに〇〇となっています。)としては、人生を積み重ねてきた結果の現状であり、欲望に正直に、才能に従う、矛盾のない人生なのでしょう。でも読者としてはいつ破綻するのか、いろいろな破綻要因を内包していることで、はらはらし、グイグイ引き付けられます。まじで面白いです。

 

 

    

 

上機嫌で何が悪い!ブログ「死の棘」島尾敏雄

 まぁ読むのに時間がかかったこと。短編集なのに。

 精神科病棟から始まる夫婦の生活、その過去が徐々に明らかにされていく。病床から妻の呪詛の言葉が続く。夫の内的告白も続く。どっちも疲れるのです

 呪詛の言葉はもはや答えようのない質問という形で、延々と吐き出され続けます。それはまるで蜘蛛の糸のように夫を縛り付けていきます。夫はなぜ逃げださないのか?単なる自責の念や加害意識でなない何か、末章では、妻を愛しているような内的告白もありますが、そのわけのわからなさが、呪詛の言葉の恐ろしさではないでしょうか。

 読了後、解放感を覚えました。二度と読みたくない、のでしょうか?いや、むしろ毒にも薬にもなる本です。猛毒か良薬か、それは僕の今の環境に依存するところ、なんでしょうね。

 

上機嫌で何が悪い!ブログ「承久の乱」日本史のターニングポイント 本郷和人著

 やっぱり学者の知識は面白い、と再確認。中学生の頃、「ヒトにフイ打ち(1221年)「承久の乱」と覚えたぐらいしか思いれのない争いが、人物の迷いまで感じられる、身近に感じられます。

 冒頭、「幕府」というきちんとした政治システムが確立されていたわけではなかった、頼朝のつくった政治体制の実態を一言でいうと、「源頼朝とその仲間たち」。この宣言めいた表現で、不思議と鎌倉時代のその気分をおぼろげながらも、「感じられる」ように思います。自分の土地を守るため、頼朝を棟梁と仰ぐ鎌倉武士団のそのありようがまぶたに浮かぶようです。

あとがきに僕がこの本を面白いといえる個所を発見しました。「構想20年、鎌倉幕府とは何か、をずっと考え続けていたぼくだからこそ書けた本だと自負しています。」「鎌倉幕府って何?『武士の、武士による、武士のための政権』」

こういうわかりやすく、かつ本質をとらえた表現は、なかなか書けないと思います。

 

一週間で身につくC#勉強中20

prob8-3.

任意の数値の階乗を求めるプログラムを作りなさい。階乗とは、その数から一つずつ減らした全ての数を書けた数値のことであり、例えば、6の階乗は、6×5×4×3×2×1=720となる。

using System;

namespace prob8_3
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            int num, goukei;
            Console.Write("数字を入力してください:");
            num = int.Parse( Console.ReadLine());
            Console.Write("\n" + num);
            goukei = num;
            for(int i = num-1; i > 0; i--)
            {
                Console.Write($"×{i}");
                goukei *= i;
            }
            Console.Write($"={goukei}");*/

            }
        }
    }
}

prob8-4.

1から1000までの任意の数を乱数で発生させ、その数が何桁かを表示するプログラムを作りなさい。

using System;

namespace prob8_4
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            int num;
            Random rnd = new Random();
            num = rnd.Next(1, 1001);
            for(int i = 1000,keta=4; i > 0;i /=10, keta--)
            {
                if (num / i > 0)
                {
                    Console.WriteLine($"{num}は{keta}桁です。");
                    break;
                }
            }
        }
    }
}

12行目のようにforで2つの変数を定義することができます。但し、同じデータ型の変数に限ります。(ここでは両方の変数のデータ型がintです。)

prob8-5.

1から100までの数値のうち、3で割り切れるか、数値の中に3が含まれる数値を全て表示しなさい。

using System;

namespace prob8_5
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            for(int i = 1; i < 101; i++)
            {
                int keta1 = i % 10;  //一桁目の数字
                int keta2 = i /10 % 10;  //二桁目の数字
                if (i % 3 == 0)
                {
                    Console.Write($"{i} ");
                }else if(keta1==3 || keta2 == 3)
                {
                    Console.Write($"{i} ");
                }
            }
        }
    }
}

 

↑ お勧め書籍

上機嫌で何が悪い!ブログ「地球にちりばめられて」多和田葉子 著

 少し不思議なふわふわとした印象の文体、でも取り扱っている素材はシュールレアリスッテクな未来。ヨーロッパ圏(ドイツ)に永住権を有するだけあって、言語や人種に関する意識が鋭く、非常に面白い一冊。

 既に滅んでしまっている(滅んだ理由はついぞ明らかにされなかったが、原子力と自然災害を匂わせる個所があります。)日本出身のHirukoは、汎スカンジナビア語としてパンスカ語をつくろうとしています。作者の言葉に『クヌートとの会話で使うのは自分でつくった不完全な即興言語なのに、言葉が記憶の細かい襞に沿って流れ、小さな光ものを一つも見落とさずに拾いながら、とんでもない遠くまでつれて行ってくれる。パンスカは母語なんかよりずっと優れた乗り物だ。』とあります。そうか、言葉は、人を運ぶ乗り物なのか、なんと素敵な気づき。

 エスキモー出身で日本文化を浴びたいナヌーク、インド人で男性女装のアカッシュ、言語を愛するデンマーク在住の言語学科の大学院生のクヌート、ナヌークに恋するノラ。多彩な背景をもつキャラクターが美しく溶け合っていくストーリーが面白い。

 最後に、『社会は雑居ビルのようなものだ。ビルの住人たちは同じ理想を抱えて集まって来たわけではない。火事を避けたい気持ちは共有しているが、他人の内面の苦しみなどはどうでもいい。平等も人権もどうでもいい。国家レベルでは尊重される原則が犯されて、隣の人が糞尿にまみれていても、自分の家さえくさくならければ干渉しない。人の身になって感じる能力を退化させることで雑居ビルは成り立っている。』といいます。これらに作者がヨーロッパの多様性を受け容れていれ、言葉を紡ぎだしている価値観があると思いました。

 

一週間で身につくC#勉強中19

prob8-2.(ピタゴラス数2)

prob8-1.のデータから、重複を取り除いた組み合わせと、その数を表示するプログラムを作りなさい。具体的には、a=3,b=4,c=5と、a=4,b=3,c=5は同じものとみなす。

using System;

namespace prob8_1
{
    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            int a, b, c,goukei;
            for(a = 1; a < 101; a++)
            {
                for (b = 1; b < 101; b++)
                {
                    goukei = a * a + b * b;
                    for (c = 1; c < 101; c++)
                    {
                        if (goukei / c == c & goukei % c == 0 & a < b)
                        {
                            Console.WriteLine($"a={a},b={b},c={c}");
                        }
                    }
                    
                }
            }
        }
    }
}

 

prob8-1の17行目に”&”を使って条件を付け加えただけで完成します。